金魚らんちゅう飼育器具販売 三養魚場
最新技術・研究 その3

水産・観賞魚業界の技術は日々、進歩しています。
昔ながらの飼育法にとらわれず、 新たな試みをご紹介いたします。



アカコ(イトミミズ・イトメ)の生態を研究
研究・文・写真  三卯養魚場 仲野佳廣

数回に分けて不定期に掲載いたします。今回は第一回です。

連載 第一回
2004年12月18日 掲載

  三卯養魚場では、愛好家の悩みを解決することが、当社が存在する意味と考えています。

  その中で、世界的に見ても技術が確立されていないと思われる「アカコ(イトミミズ・イトメ)」の
  人工的な環境での長期蓄養に注目しました。

  かなり長い文章になりますがご容赦願います。

  昔、ドブ川で赤い固まりになってゆらめいていた水棲ミミズ。
  各地で呼び名が違います。正式名称は「イトミミズ」、西日本は「アカコ」、東日本は「イトメ」と
  呼ばれています。※地域によって異なります。ちなみに中国では「水虫」と書きます。
  私はアカコが呼びなれているので、ホームページやメルマガはアカコと記載いたします。

  アカコは水質汚濁の指標になっているとおり、汚水に生息します。
  ホームページや新聞でよく見かける記事に、「タバコのニコチンはアカコをも殺すほど毒性が・・・」。
  金魚愛好家ならわかるでしょうか、何もしなくてもアカコは死にます。バクテリアの素の原液を
  振りかけても死にます。非常に繊細な生き物です。

  アカコの流通業者すべてが、大量の井戸水を掛け流して生かしています。
  それでも目減りし、増えるなどとは程遠い状況です。
  日本だけでなく、中国や東南アジアでも同じ様な蓄養方法です。
  一般の問屋・小売店・末端ユーザーが大量の井戸水で管理することは、
  極めて困難です。同じ様に水道水で微量を掛け流しただけで100トンを越えてしまったこともありました。

  ドブ川で元気にしているのに、なぜ蓄養ができないのか。素朴な疑問です。

  多くの熱心な愛好家が蓄養に挑戦していますが失敗しています。たとえば、
  ★ペットボトルの水を凍らし、水槽に浮かして冷却
  ★水深を極端に浅くする
  ★毎日2〜3回の水換え
  ★袋に入れて酸素詰し、冷蔵庫で保管
  ★ヌカを撒く
  ★ザルに入れて下から新水を流す
  ★強いエアーレーションを行なう
  ★強い水流をつくる 、 などなど

  次に一般的に常識とされていることは
  酸欠に弱い
  ◆高温に弱い
  ◆大きな「マリモ状」になると中心部が弱る・死ぬ
  ◆病原菌の巣窟である
  ◆水深が深いと死ぬ など。

  私は常識を一度捨てて、柔軟な頭で疑問を持ってみました。

一般的な常識 私の疑問・考え
酸欠に弱い  ドブ川は酸素が豊富だろうか。水流があるところより、
 流れがない場所を好む傾向にある。酸欠死は考え難い。
高温に弱い  夏、水深の浅いドブ川は相当な水温になる。
 汚泥は冷たいが、10センチ以上の深さでなければ暑さはしのげない。
 暑さに弱ければ昼間は土中、夜に活動するのではないだろうか。
 岩陰にいたとしても泥の上で高温になるので、高温でも順応性は
 あると考えられる。
大きな「マリモ状」になると
中心部が弱る・死ぬ
 環境が良い田んぼでは分散し、ドブ川では大きな塊になる。
 マリモ状になって中が死ぬようなら、自然な摂理として
 固まるはずがない。環境が悪いところでは習性として
 固まるのだから、アカコが好む形なのだろう。
病原菌の巣窟である  糞・死体は相当な菌が含まれているだろう。ショックを与えると
 「キュッ」と固まる状態なら、金魚に与えて害があるように感じない。
 昔、亀も病気の巣窟と言われたが、糞で汚れた水に浸かった亀を
 素手でさわり、そのままで食べ物を触ると当然、おなかをこわす。
 同じ様なことではないだろうか。状況により否定も肯定もできない
水深が深いと死ぬ  同じ種類ではないかもしれなすが、琵琶湖の最深部で生息が
 確認されている資料がある。浅瀬を好む傾向があるのも確かなので
 今後の研究課題です。

 

連載 第二回
2004年12月27日 掲載

  取引先各社の担当者と打合せするなかで、アカコの蓄養期間が最長1週間では
  お客様は毎週、お店へ買いに足を運ばなければなりません。業者としては来店頻度が
  多ければ良いとする営業方法もありますが、お客様の負担が大きいため、1回のアカコの
  購入量が少なくなります。アカコの管理が手間なので、最悪はアカコの使用を断念し、
  逆に来店頻度が低下する可能性が高くなるのが心配です。

  そこで、2週間
の蓄養が可能になれば一回の購入量が増加し、健康な状態で
  給餌できるために一回の給餌量が増え、全体から見れば販売量が大幅に増加すると
  思われます。また、取り扱う業者側も損失が減少するので、その分が価格に反映されるので、
  さらに購入層の拡大が見込めます。

  結果、蓄養方法の目標として2週間を目指すことになりました。

  アカコの増殖と言う点では、安価で大量に輸入できる為、増えなくて良いので
  痩せないようにする方法に重点を置く事としました。

  三卯養魚場の地元、大阪では、航空便を利用して、活餌・観賞魚などの生き物を
  合同で輸入する便が、毎日あります。
  つまり、1箱でも数百箱を輸入する時と同じ運賃になり、1箱だけでも直輸入できるシステムです。
  FAXで発注すれば、3日後には関空へ到着します。そのルートでシラサエビやどじょう、アカコを
  仕入れることができます。これでアカコの安定した入手ルートが確立されました。


  ルートは確立されました。あとは最低2週間、良い状態で維持できる方法の確立です。
  当社には井戸がない為、井戸水の掛け流しができません。止水池での研究を始めることになりました。





三卯養魚場が行なっている研究途中で、
失敗した例をご紹介いたします。

短期間だけなら蓄養ができる方法もありますが、
2週間は無理でした。



マリモ状態で底に溜まる死骸や糞をふるい落とす為、
カ-9ふんこしを吊るし網として蓄養。
すぐに網目から逃げてバケツの底に溜まり、
数日で腐敗。水換えは毎日・
送気あり・水温15℃前後の常温




「床(とこ)」があれば良いと考え、腐葉土と野菜栽培用の土を
カゴに入れ、水深は3センチ程度にして土が湿る程度とする。
すぐにカゴから逃げて水だけの所に移動し、7日ほどで腐敗。
水換えは2日おき・送気なし・水温15℃前後の常温




釣り餌輸入商社の担当者に知り合いがいる為、
ゴカイなどの蓄養方法を教えてもらい、
ろ過面積を多くしてみました。

プラ舟ジャンボ180にGFコードを大量に詰め、
リオ1400で循環。排水は塩ビパイプに取り付けた
1方コックで、それぞれの蓄養槽へ注水する。


水換えは2日おき・送気あり・水温15℃前後の常温

最初の3〜4日は、すべて非常に良い状態でした。
やはりゴカイと同じ様に、ろ過槽が大きければ
アカコも元気なのだと、喜んでいたのでしたが・・・。




ホーローボール30センチとチ-9白で蓄養。
下の方から腐りだして全滅。



深めのバケツにウ-5ふんこしで蓄養。全滅
メキシカンハットを想像して、三角錐の吊り網が
良いと思い、洗濯機のゴミ取りネットで蓄養。
翌日にはすべて下へ逃げ、そして腐敗。




水深を浅くした条件での試験として、
ホーローバット八つ切りで蓄養。

ザルに入れたアカコの大半は外へ逃げる。

もっとも最後まで状態が良かったが、
最終的にはすべて腐敗。この頃になると
ろ過槽が汚泥の量に対応できなくなり、
激臭が漂っていた。


2005年1月24日 記事追加
写真はありませんが、冷凍庫の10分割・製氷トレーに
アカコをそれぞれ、分割して入れてみました。
アカコはマリモ状が大きくなると死ぬと言われています。
トレーに入れることで塊を小さくできると考えました。
分けて入れ、水が流れるように注水を開始。
結果は12時間後にはすべて、トレーの外へ逃げ
出していました。逃げると言うことは、アカコが好まない
環境であり、小割が良いは限らないことになります。



その他の試験結果

@ホーロー洗面器50センチに、2〜5センチ厚とした
 貝化石粉末、水深5センチとして蓄養。1週間以内に腐敗

 水換えは2日おき・送気あり・水温15℃前後の常温

Aホーロー洗面器50センチに底砂なし、濃い青水で蓄養。
  4〜5日に腐敗。
  
水換えなし・送気
あり・水温15℃前後の常温


Bホーロー洗面器50センチに、2〜5センチ厚とした
 貝化石粉末、水深5センチ、GFコード1メートルを入れて蓄養。
 1週間以内に腐敗

 水換えは2日おき・送気あり・水温15℃前後の常温

Cホーロー洗面器50センチに、ろ過槽の活性汚泥だけを
  3センチ厚、水深5センチとして蓄養。1週間以内に腐敗

 水換えは2日おき・送気あり・水温15℃前後の常温


Dホーロー洗面器50センチに、2〜5センチ厚とした
 貝化石粉末、水深5センチとして蓄養。1週間以内に腐敗

 水換えは2日おき・送気なし・水温15℃前後の常温

Eホーロー洗面器50センチに底砂なし、濃い青水で蓄養。
  4〜5日で腐敗。
  
水換えなし・送気
なし・水温15℃前後の常温


Fホーロー洗面器50センチに、2〜5センチ厚とした
 貝化石粉末、水深5センチ、GFコード1メートルを入れて蓄養。
 1週間以内に腐敗

 水換えは2日おき・送気なし・水温15℃前後の常温

Gホーロー洗面器50センチに、ろ過槽の活性汚泥だけを
  3センチ厚、水深5センチとして蓄養。1週間以内に腐敗

 水換えは2日おき・送気なし・水温15℃前後の常温



 


  アカコを毎週3キロ、すべて腐敗させ続ける日々が2ヶ月ほど続き、挫折。
  ネットや関連書物を読みあさり、情報収集を行なうが、突破口が見つからない。
  長期蓄養の情報や試験結果がまったくない。
  出てくるのは、田んぼに生息するアカコの話や、自然派石鹸のうたい文句ばかり。

  原点に戻り、生息環境を調べる為、大阪府門真市や大阪市鶴見区内のドブ川の
  水質を5〜6ヶ所検査。
  
  【検査項目】 pH・GH・KH・アンモニア・塩分・溶存酸素・導電率・亜硝酸

  寒くなってから検査した為、アカコの姿はありませんでした。
  夏場と異なる水質かもしれませんが、水の採集地すべてで水質が異なる結果と
  なりました。最初の検査地点から分岐して100メートル程、移動するだけでも水質が違う。
  どれを参考として良いのか、余計に迷う結果となってしまいました。



  取引先の卸問屋・金魚担当者と、アカコについて語り合う機会がありました。
  同社の熱帯魚温室で、水温30℃のディスカス水槽にメキシカンハットへ
  アカコを入れていても死なない。別の水槽では、プラックゴーストにアカコを与え、
  完売したので水槽を洗おうと底砂(南国砂)からソフトボール大のアカコの固まりが
  出てくるなど、さらに悩ますような情報ばかり。

  水温は30℃と高温、ストック水槽は水深45センチもある。
  今までの常識とはすべて逆の結果で、私の予測に近い結果だったが
  再現できない。毎回、同じ様にアカコが元気とは限らないからです。

  何らかの条件さえ揃えば、高水温・深い水深でも蓄養が可能になる。
  それさえわかれば良いのだが・・・。

  この時点での大きな問題点
  @糞または死骸?。水の白濁。
  A臭い。激臭で目に染みるほど。

  大量に排泄される糞(または死骸)を処理できれば、長期蓄養が可能ではないだろうか。
  井戸水の掛け流しでは、大量の糞(または死骸)を大量の水で洗い流すことで問題点を
  解決している。

  しかし、ドブ川にいるということは、自然な摂理から考えれば、アカコの役目は
  汚れた汚泥を分解することと想像される。
  川を汚染するようであれば、自分で自分の首を絞める事になるので矛盾する。
 
  



ある時、次々と腐敗していく試験水槽が10数本あるうち、
なぜか1本だけが腐敗しない。それも3週間。

環境
プラケース7リットル・送気なし・水温15℃前後の常温

約50グラム程の少量だが、刺激を与えれば「キュッ」と
マリモ状に引き締まる、元気な証拠。

金魚の水作り用のコンディショナーを開発する上で、
手元に数十種類のミネラル剤があり、遊び半分で
添加した内の1つです。



そのミネラル剤を中心に、様々な試験を開始いたしました。


連載 第三回
2004年1月24日 掲載


  前回、手応えがあったミネラル剤を仮称「ミネラルA」とします。
  そのミネラルAを中心に適正な濃度を探るため、5段階ほどに分けて試験を開始しました。

  濃度を割り出すのは比較的簡単で、2〜3日でそれぞれに異なる結果がでました。

  しかし、アカコの維持に欠かせないのは判明しましたが当然、それだけではストック方法の
  確立とまではいきません。ミネラルAを適正濃度に調整しても、容器の大きさや温度、密度を
  変えると以前と同じ様に腐敗する結果となります。

  深く考えても進まないので、とりあえず次の試験は、最適な密度と水深・水温について研究を開始。
  基本容器はプラケース約10リットル、ホーローバット10を使用。
  水は水道水を一晩、汲み置きした水にミネラルAを適量散布のみ。

  写真左・左下、小さなマリモ状の容器は、ミネラルAを発見した試験区です。
  継続して経過を観察しました。






  
  試験数が増えたため、この時点でアカコ10キロを中国より直輸入開始
  豊富な材料で、様々な試験を行ないました。

  秋から冬になり、水温が10度近くまで下がる日が多くなりました。
  水温の違いを確認するため、24時間エアコンで暖房した室内と、
  常温の2ヶ所に分けて試験を増加。

  やはり水温が20度前後にすると活動が活発になり、開始直後から
  外見で大きな変化が見られました。






ホーローバットの個体写真です。
送気がないため、盛んに揺れて酸素を吸収しようと
動いています。写真ではわかり難いのですが、
ムカデのような細かな長い毛が確認できます。
マリモ状態から少し広がると言うか、触手が伸びた
イソギンチャクのように見えます。

水深・密度に関係なく、同じ動作をしていました。





数時間後から翌日にかけて、今度は揺らめきが止まり、
マリモ状態に戻りましたが、見るからに活性が低下し、
底辺には斃死も見られます。

  危険な状態のため、水換えを行ないました。
  かき混ぜて汚泥と斃死を浮き上がらせ1分ほど放置すると、生きているアカコはすぐに沈下します。
  汚れた上澄み液を排水すると、簡単に汚れと生きているアカコを分離することが可能です。
  
  水換えを行なった直後は状態よく、短いマリモ状態で揺らめき、徐々に延びて揺らめいた後に、
  また活性が低下する繰り返しとなりました。

  屋外の10度前後では送気がなくても維持できていましたが、室内では過密なほど早く弱るため、
  酸欠になっていることが容易に判断できます。




屋外はそのままに、室内の容器だけはすべて、
送気を行うことにしました。



多少、ムラはありますが、全体的に細くなり、
小さな揺らめきを見せています。水深による変化は
ありません。もっとも良い状態です。

アカコは酸欠がないと予想していましたが、
この結果から、アカコは溶存酸素濃度に合わせて
酸素を取り込むために、形体を変化させます。
そして、極度に低酸素状態になると生存できない
ことが判明しました。


  
簡易的な溶存酸素テストキットで測定すると、水温20度の条件下で、
  ★4mg/リットル以下になると、ムカデのような長い毛のようなものが延びて、
   盛んに酸素を取り込むための活発な活動が見られます。
  ★2mg/リットルを下回ると活動を停止し、斃死が始まります。
   すでに限界を超えた低酸素濃度となります。

  ★6mg/リットル以上で状態の良い、自然な揺らめきが見られます。
  
  水温10度前後の低温は、送気がなくても酸欠の症状を見せませんが、
  生理活動が低下しているために、それほど酸素を必要としないと思われます。

  逆に25、30度と高温になれば豊富な酸素が必要になるともいえます。

  続いて飼育密度に注目すると、金魚と同じく薄飼いほど状態が安定します。
  密度が低いことにより、水質悪化の速度を遅くすることができます。
  数通りの試験結果をもとに、池底が60%以上、見えるようにすると良いでしょう。
  何らかの障害物があれば、物陰に隠れるように寄り添いますが、
  狭くて壁面と触れる状態は斃死につながります。

  水換えについては夏場の金魚と同じく、3日に1回程度の周期で行なう方が安全です。
  金魚愛好家なら苦にならない周期でしょう。急な状態悪化で白濁した場合は、
  即、水換えを実施して下さい。アカコ特有の臭気が気になるなら、水換えの頻度を
  上げると良いでしょう。

  他に、20度での実験で判明したことは、水深はあまり関係がないようです。
  水流については、強めの送気を行なう程度です。特にポンプで水流を発生する
  必要はありませんでした。

  水温10度を下回る、常温で試験中のアカコを見る限り、死ぬようなことはありませんが、
  張りがなくなり、網で掬うと簡単にバラけてしまいます。
  色は赤みが薄く、アカコとしては厳しい環境のようです。そのままヒーターで15度まで
  加温すると、張りが戻ります。これらのことから、アカコも10度以下の低温は厳しく
  15度前後を維持する方が良いようです。冷蔵庫は5度まで下がるため、短期間の
  保存は最適かもしれませんが、2〜3週間の長期には適さないように感じます。

  仮死状態の低温5度で短期間蓄養か、活性は低くても活動に問題がない
  15度以上の長期蓄養。使い分けの参考としてください。
  



連載 第四回
2004年2月9日 掲載

  土佐錦愛好家のお客様より、イソジンの添加で
アカコの鮮度が維持できるらしい、との噂話を頂き、
早速試してみました。

水温は10度前後で、濃度を五段階に分けて試験を開始。
24時間後でもイソジンの色が残っている試験槽は
斃死が始まり、すぐに無色になっている所に変化は
見られませんでした。

次に水温を15〜20度で試験をすると、すぐに無色に
なっている所
も斃死したため、前回は水温が低いので
長持ちしだだけのようです。

結果から、表面のウイルスの減少には有効かも
しれませんが、イソジンがアカコの雑菌を殺して
鮮度を維持するという噂の信憑性は、さらに試験を
重ねなければならないでしょう。


  写真は撮影していませんでしたが、メチレンブルーについても試験してみました。
  菌について過敏になられている方は、アカコの消毒にメチレンブルーを使用している
  そうです。上記写真の様に、プラケースに入れてメチレンブルー規定量と、
  規定量の1/2を試験開始。

  両方ともアカコの着色が目立ち、2〜3日後には斃死が確認できます。
  これだけ着色されたアカコを与えるのは抵抗がありますし、着色する前に
  取り出したとしても、殺菌の効果があるのか疑問です。
  また、メチレンブルーはカビ類には有効ですが、細菌・ウイルスには効果がありません。
  メチレンブルーでの殺菌は、もう少し工夫が必要と思います。

  
土佐錦愛好家のお客様の助言では、土佐錦に与えている範囲内では
  アカコから病気をもらったことがないということです。

  取引先の熱帯魚業者からは、熱帯魚の特定の品種では白カビ類が体表に
  見られやすいとの情報があります。

  私の意見として、アカコを生きたまま無菌にすることは無理と思います。
  汚泥を好むアカコは、体内に様々な菌と共生することで成り立っています。
  その中には好ましくない病原体も含まれます。金魚に与える範囲内なら、
  特に菌の存在が気になることはありませんが、熱帯魚は品種により
  注意することをおすすめします。


  ある文献によると、アカコと養殖魚が共存するような環境では、斃死を伴なう病気が
  アカコを介して変異し、蔓延するとの記載がありました。しかし、言い換えれば、
  常にアカコが池底で繁殖できるほど劣悪な環境ともいえます。環境が悪ければ病原菌の
  繁殖を促進し、養殖魚が病気に犯されてもおかしくはありません。

  金魚飼育では底砂を敷くことはありません。アカコを投入すれば逃げる所がなく、
  マリモ状となります。そうなれば金魚に見つかり、すべて食べられます。
  熱帯魚はアカコを与えるような品種では、ほとんどが底砂が敷かれているようです。
  多少なりとも砂に逃げ隠れ、汚泥の豊富な環境でしばらくは棲息しているのでしょう。
  一時期、アカコと熱帯魚が共存することとなり、水質が悪化しやすい環境なら、
  アカコを介して病原菌が大量繁殖するのかもしれません。私の憶測ですが。

  生きたまま無菌で与えると言うのは、現時点では手軽に行なえる技術はありません。

  この連載では、金魚に与えるためのアカコの蓄養を目標としています。
  殺菌方法については、早急に確立させる必要性がありませんので、
  今後の課題ということで先送りといたします。


  

  何を食べているのかがわからないので、とりあえずアカコに金魚の餌を与えてみました。
  左は花咲、右は初草です。マリモ状の上に乗せて観察してみましたが、明らかに嫌がっていました。

  底の養分を吸い出し、上へ排泄する生態から、食べ物が上に乗ることはないので、合わなかったようです。
  しかし、下に落ち、水でふやけた飼料は、翌日もそのままとなって残っていました。
  
  アカコは非常に細い生き物です。その体内を通る食べ物となると、かなり微細な物を与えなければなりません。
  フィッシュボンSSも与えてみましたが、少しは食べているようですが、最適な飼料とまではいきませんでした。
  

  飼料の問題点が解決すれば、養殖の道が開けます。養殖とまでいかなくても、蓄養で良い状態を長期間、
  維持することができるでしょう。継続して研究を続けていきます。


アカコは大きく固まると、中が酸欠になり、
死ぬと言われ続けていました。

左の写真は当社の蓄養池(1800×900×350H)です。
直径50センチを越えるマリモ状になります。
掃除の後ならすべてが1つの塊になります。
水さえ状態よければ斃死は確認できません。

それらのことから、塊を解す必要はないということです。
解すだけで状態がよければ、これほど簡単なことは
ありません。すでに蓄養の技術が確立されているはずです。

しかし、未だに蓄養が確立されていないのは、マリモ状に
なるから死ぬ、という誤った定説、観点があったからでは
ないでしょうか。生態について重要な点を多く見逃す
結果となっています。

マリモ状の断面

マリモ状の底面

  マリモ状を近くで観察してみます。
  細かな個体は上部、太い個体は下部へと住み分けているのが確認できます。
  なぜ、太さの違いがあるのかまでは、文献等の資料がないためわかりませんでした。

  アカコは泥があれば、下から上へ循環する仕組みになっています。
  泥中の有機物を吸い取り、上へ吐き出します。
  泥がなければその動作ができません。糞や斃死が発生すれば、マリモ状の
  下へ固める動きになります。その動作が下部から斃死し始めていると
  錯覚させているのでしょう。
 



もっとも縮んだ状態のアカコ・1キロです。
安静にすると倍近い大きさに広がります。

水温・採集地域・水質により、固まり方が異なります。
ソフトボールと同じ、まん丸の大きさになったり、
厚み20ミリほどの薄さになったりします。
井戸水の掛け流しにすると、厚みが薄くなり
やすいようです。

持ち上げた時に、すべてがつながって
座布団を捲るような状態は調子が良い証拠です。

また、特定の水質になると、太いアカコがばらけて、
四方八方へ、はいずり回る行動が確認できました。
原因は突き止められませんでしたが、アカコという
生き物の不思議さを再認識させられます。


大まかな内容は掲載できましたので、ひとまず連載を終了といたします。
第五回以降は新たに判明した生態や蓄養技術を公開していきます。




掲載内容の無断転用・転記を禁止します。


次回は最新結果報告です。掲載日は未定です。

連載 第五回へ続く


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